移転登録(名義変更)を自分で行う際の手順&必要な書類

オークション等で本体価格3万円の激安中古車を見つけたとしても、購入時には「諸経費」として、移転登録(名義変更)・車庫証明手続き費用や、車検整備・代行料が加算されるので、最終的に支払うのは20万円近く必要になることがほとんどです。中古車店はこの代行料を大きな利益として見込んでいます。

個人間の売買では、基本的に購入者側が移転登録などの手続きを行います。

また、ディーラーに移転登録・車庫証明入手を依頼すると、25,000円~30,000円かかりますが、ユーザー車検を行い自分ですべて対応すれば4,000円ほどで済みます。

ユーザー車検とは、車検をディーラーやガソリンスタンド、カーショップなどに依頼しないで、自分で車検をすること。

車を手に入れた後、次の車検を自分で実施することができれば、車検代行料も節約することができます。

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車検証:AタイプとBタイプ

自動車の名義を変更する場合には、移転登録の手続きが必要になります。2008年(平成20年)から登録識別情報制度の開始にともない、自動車検査証が以下の2タイプとなりました。

Aタイプ車検証
自動車検査証に所有者と使用者の欄が設けられ、所有者に関する記載があるもの。

所有者欄に記載されている所有者の方の書類が必要になります。

Bタイプ車検証
自動車検査証に所有者欄がなく使用者欄のみが記載され、備考欄に検査証発行時の所有者の記載があるもの。(自動車検査証の枠外左上の番号欄に、5桁の数字に続いてアルファベット「B」の標記があるもの。)

※ 所有者と使用者が異なる場合とは、例えばリース会社と契約しているときや、ローンの支払い途中なら所有者はローン会社で使用者が自分、親が所有者で使用者が子の場合など。
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自動車の移転登録申請に必要な書類

旧所有者の必要な書類

  • 申請書(最寄りの陸運局でもらう、または、OCR シート第1号様式をダウンロードする。こちらの国土交通省のホームページからダウンロードする)
  • 手数料納付書(自動車検査登録印紙を添付)
  • 自動車検査証(車検の有効期間のあるもの)
  • 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 譲渡証明書(新・旧所有者が記入して旧所有者の実印を押印。陸運局でもらう、または、第21号様式をこちらの国土交通省のホームページからダウンロードする)
  • 印鑑(本人が直接申請するときは印鑑証明書の印鑑(実印)、代理人が申請する場合、代理人は記名でよい)
  • 委任状(代理人による申請を行う場合は実印を押印、本人が直接申請するときには不要。ダウンロードはこちらから)
※ 旧所有者に氏名、住所等変更がある場合は変更の事実を証する書面が必要になります。

変更の事実を証する書面

住所変更があった場合

  • 個人:住民票(発行後3ヶ月以内のものであってマイナンバーが記載されていないもの)、住居表示変更通知書等。
    ※ 2回以上転居している場合は住所のつながりが証明できる住民票の除票または戸籍の附票も必要です。
  • 法人:商業登記簿の謄本または抄本、登記事項証明書(発行後3ヶ月以内のもの)

氏名または名称に変更があった場合

  • 個人:戸籍謄本または抄本(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 法人:商業登記簿の謄本または抄本、登記事項証明書(発行後3ヶ月以内のもの)

外国人の場合

変更事項の新・旧住所が記載されている住民票が必要となります(発行後3ヶ月以内のものであって、マイナンバーが記載されていないもの)。

※ 住民票でつながりが証明できない場合は、つながりが証明できる住民票の除票も必要です。

新所有者・新使用者が同一の場合に必要な書類

  • 新所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 新所有者の印鑑(本人が直接申請するときは印鑑証明書の印鑑(実印)、代理人が申請するときは代理人は記名でよい)
  • 新所有者の委任状(代理人による申請を行う場合は実印を押印、本人が直接申請するときには不要)
  • 新所有者の自動車保管場所証明書(住所等を管轄する警察署より証明を受けたもので発行後、概ね1ヶ月以内のもの)
    ※ 使用の本拠の位置が変更になり、且つ自動車保管場所証明書適用地域の場合に限り必要

新所有者・新使用者が異なる場合に必要な書類

  • 新所有者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
  • 新所有者の印鑑(本人が直接申請するときは印鑑証明書の印鑑(実印)、代理人が申請するときは代理人は記名でよい)
  • 新所有者の委任状(代理人による申請を行う場合は実印を押印、本人が直接申請するときには不要)
  • 新使用者の住所を証する書面(個人においては住民票(マイナンバーが記載されていないもの)または印鑑証明書、法人にあっては登記簿謄本等で発行後3ヶ月以内のもの)
  • 新使用者の印鑑(本人が直接申請するときは認印、代理人が申請するときは代理人は記名でよい)
  • 新使用者の委任状(代理人による申請を行う場合は認印を押印、本人が直接申請するときには不要)
  • 新使用者の自動車保管場所証明書(新使用者の住所等を管轄する警察署より証明を受けたもので発行後、概ね1ヶ月以内のもの)
    ※ 使用の本拠の位置が変更になり、且つ自動車保管場所証明書適用地域の場合に限り必要
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各書類の解説

委任状:本人が直接申請する際には不要ですが、代理人が申請する際に必要となります。旧所有者だけで申請に行った場合は新所有者の委任状が必要になり、新所有者だけで申請に行った場合は旧所有者の委任状が必要になります。受任者が新所有者で委任者が旧所有者となります。委任者である旧所有者の押印が必須です。

基本は新所有者が行いますが、書類に不備があった場合を考慮して、新・旧所有者そろって陸運局に赴くことができるならば、その方がよいと思います。

自動車保管場所証明書(車庫証明):警察書で入手できます。発行後1カ月以内のもの。ただし、同居している場合は不要です。

都道府県により異なりますが、たいてい2,600円程度です。車庫証明の申請の際に都道府県収入証紙により警察署に手数料を納付します。東京都の場合は、証紙を貼らずに会計に納めたりもしますが、たいてい証紙を貼り付けます。売っているのは、警察署の中やまわりにある交通安全協会、自家用自動車協会などです。

書類に不備がなければ納入通知書兼領収書がもらえます。これは車庫証明を受取る際に必要となるので、大切に保管しましょう。

証明書は1週間以内に交付されるので後日、受取りのために改めて警察に行きます。申請の際にもらった納入通知書兼領収書を窓口に提示します。また、標章交付手数料として500円が必要です。申請時と同様に収入証紙の購入をする場合もあります。

交付されるのは以下のものです。

  • 自動車保管場所証明書(車庫証明書)
    自動車の登録に必要な書類です。一般的には販売店経由で運輸支局へ提出します。
  • 保管場所標章番号通知書
    車検証などと一緒に保管しておきましょう。
  • 保管場所標章
    車庫を使用する車の後窓に貼付します。

手数料納付書:名義変更や住所変更、廃車などの各種手続きの際に手数料を納める為の書類です。この書類に手数料500円に相当する金額の印紙を貼り付け、申請を行います。手続き当日に陸運支局窓口で用紙を貰うことができます。

記入する項目は、所有者または使用者の氏名、自動車の登録番号または車台番号、手続きに来た申請者の氏名・連絡先などです。陸運局に見本があるので、覚えていく必要は特にありません。

新規登録検査を行う際も、手数料納付書は利用されています。しかし運輸支局によっては、検査手数料の印紙・証紙を貼る用紙が手数料納付書ではなく、検査票の地域もあります。

検査登録印紙は、たいてい陸運局内の別棟に売捌所があります。ナンバープレート売り場に隣接してたりします。

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陸運局で手続きするときの流れ

必要書類を準備したら、陸運局に行って移転登録(名義変更)の手続きをします。基本的に、必要書類を用意していれば、後は局の担当者の指示を仰げば手続きは完了です。

必要事項の記入は、当日運輸支局(陸運局)で行うのではなく事前に行っておくのがおすすめです。書類の枚数が多く、当日行うと時間がかかってしまうので、一度運輸支局に行って書類を入手するか、国土交通省のホームページから事前にダウンロードしておくのがよいでしょう。

ちなみに、通常売買によって自動車を手に入れた場合は、自動車取得税がかかります。

また、家族間の譲渡の場合、相続では自動車取得税がかかりませんが、贈与では原則として自動車取得税がかかります。

それでは、新所有者が移転登録を行う場合を想定して解説します。まず、旧所有者から以下の書類を受け取ります。

  • 車検証の原本
  • 印鑑証明書(発行されてから3ヶ月以内のもの):1通
  • 譲渡証明書(印鑑証明書の印鑑が押してあるもの):1通
  • 委任状(印鑑証明書の印鑑が押してあるもの):1通

手続きをする運輸支局は、新所有者の住所を管轄する支局です。旧所有者と新所有者の管轄運輸支局が異なる場合は、ナンバープレートの変更手続きが必要です。ナンバーを変更する場合は、運輸支局に車を持ち込む必要があります。管轄が同一の場合はナンバープレートの貼替えを行わなくてもよいです。

最寄りの運輸支局(陸運局)を探す
運輸支局を探す(国土交通省のホームページ)

印紙販売窓口で移転登録手数料分の印紙を購入し、手数料納付書に貼り付けます。その後用意した書類一式を運輸支局の窓口に提出してください。不備がなければ受理され、新しい車検証を交付してもらえます。

車検証が交付されたら、記載ミスなどがないかその場で確認しましょう。

次に、運輸支局内にある自動車税事務所の税申告窓口に行き、自動車税や自動車取得税の申告書と車検証を提出します。自動車取得税の支払いがある場合は、ここで納税可能です。

その後、車のナンバー変更が必要な場合は、ナンバー返納窓口に行ってナンバープレートを返納します。ナンバープレートは自身で外す必要があるため、ここで道具となるドライバーを借りましょう。そしてナンバー交付窓口で新しいナンバープレートを購入します。最後にナンバープレートの取り付けと封印を行ってもらえば、名義変更の手続きは完了です。

車の名義を変更する移転登録手続きには、多数の書類が必要になります。そのため書類をすべてそろえて運輸支局に持っていき、手続きを完了させるまでに1週間程度かかってしまいます。自身で名義変更をすべて行う場合は、10日ほど必要期間を見積もっておくと安心です。

以上で車検証上の所有者が変更されて、名実ともに所有者の変更が成立したことになります。

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費用

  • 移転登録手数料:500円
  • ナンバープレート交付手数料(自動車登録番号の変更を伴うとき):1,500~2,000円程度。番号を選択できる希望ナンバーを取得する場合は、3,900〜4,400円程度必要です。また、地域振興などを目的としたご当地ナンバーを希望する場合、7,000〜9,200円程度かかります。希望ナンバーや図柄ナンバーを取得したいのであれば、一般社団法人 全国自動車標板協議会ホームページのナンバー申込みサービスから事前に申し込んでおきましょう。
  • 自動車取得税:50万円以上の自動車を取得した者に対して課される税金のことです。譲り受ける場合は中古車となるため、経過年数を考慮した残価率と課税標準基準額をかけて算出した取得価額に3%をかけて計算します。つまり、その自動車の時価次第となるので、資産価値が非常に高い、よほどの高級車でなければ通常はかかりません。
  • 自動車保管場所証明書:警察署で発行してもらう書類です。都道府県によって手数料は若干異なりますが、大体2,600円程度です。軽自動車は500円~600円程度。後日、受取りのために改めて警察に行きます。申請の際にもらった納入通知書兼領収書を窓口に提示し、標章交付手数料として普通車の移転登録の場合は500円が必要になります。新所有者が負担します。
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注意事項

  • 他の管轄の運輸支局・検査登録事務所から転入した場合及び新たな地域名表示ナンバープレート(ご当地ナンバー)への変更が伴う場合等、ナンバープレートが変更となるので申請時に自動車が必要になります。
  • 未成年者が所有者の場合には、両親の実印を押した同意書、戸籍謄本、両親のうち1名の印鑑証明書が必要となります。
  • 使用の本拠の位置に変更がないとして、自動車保管場所証明書の添付を省略する場合は、従前の当該使用の本拠の位置に引き続き拠点があることが分かる書面が必要となります。
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車検切れの車の移転登録をする際の流れと必要書類

車検切れの車の移転登録(名義変更)をする場合は、まず車検を通してからでないと行えません。旧所有者の名前で車検を通すことになります。車検の手続きは旧所有者が実施しても、新所有者が実施してもどちらでも問題ありません。

自賠責保険が残っている場合は、仮ナンバーを取得して陸運局へ自走することも可能です。車検を受けた後は、仮ナンバーの返却の手続きも同時に行います。仮ナンバーの期日以内に返却しないと罰則規定があります。なお、軽自動車の場合は車検が切れていても移転登録が可能です。

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契約書を作成する

知人から中古車を購入する場合でも、売買契約書は交わしておいた方が良いでしょう。売買契約書の確認事項は以下になります。

  • 売買代金総額
  • 費用負担(何の費用を負担するのか)
  • 瑕疵担保責任

個人売買の場合、代金には通常、「車両代金、自動車税、リサイクル料」、遠方であればプラス「陸送料」の4つ程度がかかります。

その他にかかる費用があった場合は、それが何の費用なのか具体的に聞くことをおすすめします。無知に付け込んで架空の費用を請求されるとも限りません。

また、購入してから不具合が発生した場合、何日以内だったら対応してもらえるかなど明記しましょう。

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車を譲渡する場合の任意保険について

車の移転登録はもちろんですが、任意保険についても忘れず変更をしましょう。任意保険については、2パターンが考えられます。

新所有者がもともと加入している任意保険を継続する場合と、旧所有者から車と併せて任意保険も引き継ぐ場合です。

今の自分の等級のままが得か、引き継いだ等級の方が得かで選択が変わってきます。

もともと自分が加入している保険を生かしたい場合は、これまで乗っていた車を手放す(売却・譲渡・廃車)することが条件です。

車と一緒に任意保険も引き継ぐ場合は、同居の家族であることが条件です。親族であっても別居していて住民票が異なる場合は継続できず、新規加入の手続きをとることになります。ただし、夫婦は例外として別居でも継承が可能です。

継続して任意保険を引き継ぐ場合、等級がそのまま継承できるのが最大のメリットですが、等級も7等級以上でなければ割引率が大きくならないので、それより小さい等級であれば継承するメリットはないかもしれません。逆に5等級以下の場合、保険料が割高になるため注意が必要です。

引き継ぎ可能か、どのような手続きが必要なのか、詳細は加入している保険会社に相談して指示を仰ぎましょう。

車の移転登録も任意保険の名義変更も「同居」が一つのポイントとなっています。同居か否かで必要な書類や費用も変わってくるので、その点に注意しましょう。

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自動車取得税廃止・環境性能割導入

以前より「自動車取得税は消費税との二重課税である」と批判を受けていました。これを受け、2019年10月1日から始まる消費税増税時に自動車取得税を廃止し、代替財源として新税制度である環境性能割の創設が予定されています。

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OSS申請:インターネットサービス

多くの都道府県で移転登録のOSS申請が可能です。詳しくは国土交通省が運営するこちらのWebサイトをご覧ください。

OSS(One Step Service:ワンステップサービス)とは、通常紙で行っている手続きをインターネットで実施できるサービスです。

自動車の検査登録は国土交通省、保管場所証明は警察、税は国や都道府県というように管轄がまたがり、これまでは手続きが複雑でした。このような車に関するさまざまな手続きを24時間365日、行政機関に出向かずに、オンラインで一括申請することができます。

現在OSSでできる手続きは下記の通りです。

  • 新車新規登録
    自動車登録を受けていない新車を購入した際の登録手続き
  • 中古車新規登録
    登録抹消中の自動車を再度利用する際に必要な手続き
  • 移転登録
    売買や譲渡のために自動車の名義を変更する際に必要な手続き
  • 変更登録
    引越しや結婚などによって登録を受けている自動車の所有者の住所、氏名などが変わったときなどに行う手続き
  • 一時抹消登録
    海外赴任など一時的に自動車を使用しなくなった際に行う手続き
  • 永久抹消登録
    自動車をリサイクル業者に引き渡し廃車にする際に行う手続き
  • 移転一時抹消登録
    移転登録と一時抹消登録を同時に行う手続き
  • 移転永久抹消登録
    移転登録と永久抹消登録を同時に行う手続き
  • 変更一時抹消登録
    変更登録と抹消登録を同時に行う手続き
  • 継続検査
    いわゆる車検で、自動車検査証有効期間満了後も引き続き自動車を利用するために必要な検査
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まとめ

個人売買をする上で一番気を付けるべきなのは「移転登録」ではないでしょうか。

車検付きで販売する場合、購入者が移転登録をせずに車を乗ってしまうケースもあるようです。

仮に3月に車を販売し購入者が名義変更を忘れて4月になってしまった場合は、販売者に自動車税の納付義務が生じることになってしまいます。移転登録は、車両と必要書類が購入者に届いたら、速やかに行いましょう。

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