自分で車検をする方法以外で検査料を安くしたい場合は、「ユーザー車検代行」サービスを利用する方法もあります。
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車検は2年に一度必ず行うものです
車を持っていれば、車検は2年に一度必ず受けなければなりません。長年同じ車に乗っていると、整備する部分が多くなり、整備費用が高くなってしまいます。どこで整備を受けるかによっても料金は異なりますが、安心できる業者にお願いしようと思うと少し値段が張ってしまう場合もあります。
ユーザー車検の場合は、書類に必要事項を記入し、検査を申し込み、車を自走して検査場に行き、手続きの全てを自分で行うことになります。
事前準備:車両の整備
車検を受けられるのは、車検が切れる1ヶ月前なので1ヶ月前になったら、できるだけ早く車検の予約をした方がよいでしょう。もし、整備不良で検査に落ちることがあれば、再検査を受けることになってしまうので、ユーザー車検をスムーズに行うためにも、愛車の整備は不可欠。
普段から定期的に自分で整備したり、カーショップやガソリンスタンドなどでオイル交換やタイヤ交換等している場合は、気になる点だけ整備調整してもらうのがよいでしょう。
タイヤ
タイヤの溝がしっかり残っているかどうか確認しましょう。スリップサインと呼ばれる△(三角)のマークがタイヤの横にあるので、△マークのところの溝を確認してみてください。
タイヤの溝がすり減ってスリップサインと同じ高さになると、道路運送車両の保安基準を満たせないことになり、車検は通らなくなります。一見、外側から見た時は溝が残っているように見えても、片減りによりタイヤの内側にはスリップサインが出ていることがあります。1ヵ所でもスリップサインが出たタイヤはNG、車検に通らないため注意が必要です。また、スリップサインは出ていなくとも、偏摩耗が激しいタイヤは車検の際に注意をされることもあります。
ライト類
ヘッドライト、スモールライト、ウインカー、ブレーキランプ、バックランプなどが全て点灯するかどうか。ライトが照らす方向も重要です。
一番引っかかりやすい部分は、ヘッドライトの「光軸」です。
ヘッドライトの「光軸」は気づかぬうちにずれてしまうので、車検前に確認をして、必要ならば調整しなければなりません。
ヘッドライトにはハイビーム(走行用前照灯)とロービーム(すれ違い用前照灯)があり、車検の基準となるのはロービームのほうです。どちらも進行方向を照らし、ハイビームは100m先、ロービームは40m先の障害物を確認できないといけない決まりになっています。
日本のロービームは、歩行者を照らしやすいようにカットオフラインが左上がりです。その起点となるのが「エルボー点」であり、車検では前方10mを照らしたときの位置を測定します。
ロービームが車検の基準になったのは、2015年(平成27年)9月1日からです(1998年9月1日以降に製造された車が対象)。それまではハイビームで検査していました。
ハイビームは照らす方向さえ合っていれば車検に通りましたが、ロービームは先述のとおり、エルボー点の位置が合っていなければいけません。そのため、車検の基準が変更されてからしばらく、ユーザー車検で不合格になる車が続出していました。ハイビームを調整すればロービームの光軸が自動的に合うわけではなく、ロービーム用に調整を行わなければいけません。
2006年以降に製造された車であれば、「レベライザー」というダイヤルで光軸の調整が可能です。通常の位置は0ですが、状況に応じて最大5まで変更できます。最近はコンピューターによって光軸を自動的に調整してくれる「オートレベライザー」を搭載した車も増えています。
心配ならば検査場に入る前に近くの「テスター」で予備検査を受けてみると安心です。テスターは検査場にある民間の予備検査場です。測定器と同等の機器が揃えられており、光軸だけでなく他の検査項目の予備検査もできます。もし検査基準を満たしていなくても、その場で調整できます。本来は業者のためのサービスですが、一般のドライバーも利用できるので、あらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。料金は光軸だけなら2,000円程度で済みます。スピードメーター・サイドスリップ・ブレーキ測定・排気ガス・ヘットライトの主な検査をセットにした料金を設定しているものが一般的です。
なお、車検はその日NGが出ても3回までなら無料で再検査できます。
ブレーキ関係
車に乗っていれば、ブレーキは必要不可欠。フットブレーキ、サイドブレーキともにブレーキの効きを確認しましょう。整備が必要ならばブレーキパッドの状態等も見てもらいましょう。
ブレーキが効かない場合は検査に通らないだけでなく、常識的に「危険」です。
ワイパーとウォッシャー
車検にはワイパーの検査もあります。ウォッシャー液が出るか、というのも含まれます。
クラクション
クラクションの検査もあるので、クラクションが鳴らないと合格しません。
以上が車検前に確認しておくべき車の状態です。
事前準備:書類
ユーザー車検の予約をする前に準備すべき書類があります。
自動車検査証(車検証)
予約時も検査時も必要です。車に乗る際は携帯していなければならないため、ダッシュボードに保管されていることが多いです。
自動車損害賠償責任保険証明書
自賠責保険の証明書です。自賠責保険は、車を持っていれば必ず入らなければならない保険です。これも車検証と一緒に保管されていることが多いです。
車検時は現在の「自賠責保険の証明書」と、これからの「自賠責保険の証明書」が必要になります。車検を受ける「運輸支局」で加入することができます。当日までに期間の継続手続きを行っておくようにしましょう。
車検の有効期限よりも長い期間加入していなければならないため、車検を受ける際には次の有効期限をカバーした期間の自賠責が必要になります。
通常は24ヵ月の加入ですが、自賠責保険の期間が切れている場合は一ヶ月分多く加入しなければなりません。自家用車の場合、24ヶ月で25,830円、25ヶ月で26,680円を支払います。新車は車検が3年後なので、37ヶ月の加入で36,780円です。
自動車納税証明書
毎年、車を所有している人に届く自動車税を納税しているという証明書(領収書)です。おそらく車検証と一緒に保管してると思います。もし紛失してしまったり捨ててしまっていた場合は、車検を受ける「運輸支局」で再発行が可能です。
自動車税納税証明書(継続検査用)の省略要件
1年に一度支払わなければならないのが自動車税です。これまでは、納税証明書を持参する必要がありましたが、2015年(平成27年)からは、きちんと期限までに支払っている場合は省略可能になりました。
要件としては、自動車税の滞納がないこと、納付から3週間が経過していることです。どちらも満たしている場合は省略できます。もし不安な場合は念のため持参するとよいでしょう。
24ヶ月定期点検整備記録簿
24ヶ月点検をした記録がある書類。この書類は車検時に必要とされていますが、「整備は車検後行う」と告げれば当日は必要ありません。ただしこの場合でも、点検整備は法律により義務付けられているので、必ず後日行うようにしましょう。
ユーザー車検の予約
上記の車の整備や準備すべき書類が揃ったら、ユーザー車検の予約をします。インターネット上で行うことができます。
普通自動車は管轄の陸運局、軽自動車は軽自動車検査協会のサイトで予約を入れましょう。必要事項を入力しなければならないため、車検証が手元にある状態で行うようにしてください。検査を受ける2週間前から予約することができます。
普通自動車は国土交通省の予約システムで自分の地域を管轄している陸運局を調べ、IDやパスワードを登録して予約という流れになります。軽自動車の場合も同じ手順で予約ができますが、軽自動車の車検予約は電話でも可能です。
「国土交通省」の車検予約ページ
自動車検査インターネット予約システム
車検当日の流れ
窓口で受付けをする
検査場に着いたら、準備してきた書類を窓口で提出し、以下の書類を受け取りましょう。書類の記入は、見本を確認しながら間違いのないように、しっかり行いましょう。
- 継続検査申請書
継続検査申請書は、「専用3号様式」又は「第3号様式」のどちらを使用しても問題はありません。有効期限やナンバー、車台番号を、車検証を見ながら記入します。住所と氏名を記入したら「認印」を押しましょう。※ 申請人が記入した場合は「認印」は不要なのですが、運輸支局又は、自動車検査登録事務所によっては「認印」を求められる場合があるそうです。 - 自動車重量税納付書
住所と氏名、ナンバーを記入します。有効期限と自家用・事業用の欄、区分などにチェックを入れてください。自動車重量税の税額は、国交省の専用サイト「次回自動車重量税額照会サービス」で確認できます。
- 自動車検査票
車検や構造等変更検査、新規登録検査の際、検査項目ごとの合否を記録するための用紙です。型式やナンバー、車台番号、走行距離、住所を記入します。検査を受ける自動車が道路運送車両法の保安基準に準じている場合のみ、この自動車検査票に合格印が印字されます。保安基準外であったり、書類に不備がある場合にはその内容が記載されます。最終的に自動車検査票の全ての項目に合格印が押されれば、窓口で車検証の交付を受けることができます。
車検本番
書類の提出が終わったら、いよいよ車検本番です。車に乗って検査レーンに並び、自分の順番を待ちます。
まず最初に行われるのが、検査コース入口での「同一性の確認」です。検査官が近づいて来たらボンネットを開けて車検証を含む書類を提出します。車両に打刻されている車台番号とエンジンに打刻されている原動機型式から、提出した書類と自動車が同一であるかのチェックが行われます。
「外観検査」では、指示器やライト、ブレーキランプ、ハザードランプ、ワイパーが正しく作動するかを確認します。
次に、車がまっすぐ走るかどうか、スピードメーターやヘッドライト、ブレーキが正しく作動するかどうかの検査が行われます。ガソリン車の場合は排気ガスの検査が行われ、エンジンオイルの漏れやマフラーの損傷といった「下廻りの検査」をして終了となります。
合格ステッカー(車検証票)の交付
全ての検査が終わってラインを出ると、総合判定を受けます。無事に検査が合格であれば、書類一式を車検証交付窓口へ提出します。窓口で新しい車検証とステッカー(検査標章)の交付を受け、ユーザー車検終了となります。不合格だった場合は、調整や整備を行った上で再度検査を受けることになります。1回の申請で3回まで検査を受けることができます。
車検不合格となった場合
不合格になる理由としては、未払いの違反金がある場合や書類の不備、整備不良などが考えられます。車検で不合格になるときは、明確な理由があるものです。
例えば、ヘッドライトの光軸やブレーキランプの電球切れなどの場合は、すぐに整備できます。マフラーに穴が空いていた、ドライブシャフトブーツが破れていたなどの場合は、修理が必要です。
一度不合格になっても、一回の申請で当日に3回まで検査を受けることができます。再検査は、前回不合格だった箇所のみとなります。
整備や修理が必要で当日中に再検査を受けられないという場合は、「限定自動車検査証」を窓口で発行してもらいましょう。費用は1,300円かかります。15日以内の再検査であれば、不合格となった箇所のみの再検査で済みます。しかし、15日を過ぎてから再検査を受ける場合は、はじめから検査をやり直す必要があるため注意が必要です。
再検査を他の運輸支局や指定工場で受けることも可能です。その場合も、限定自動車検査証が必要となります。
費用
従来長い間自動車検査登録印紙のみでしたが、2008年(平成20年)1月1日からは、国に検査手数料を納める自動車検査登録印紙と、自動車検査独立行政法人に検査手数料を納める自動車審査証紙の2種類を購入することが必要になりました。同時に合計額で継続検査で300円、新規検査で600円の値上げになりました。
例を挙げると小型車の場合、通常の車検(継続検査)を受ける際、従来は自動車検査登録印紙を1400円購入するのみでしたが、現在では、自動車検査登録印紙400円と、自動車審査証紙1300円の合計1700円購入することになっています。
検査手数料(印紙代・証紙代)について
検査手数料は検査の種類によって、下記のようになっています。
継続検査:自動車検査証の有効期限が満了した後も引き続きその自動車を使用するときに受ける検査です。よく言われる車検とはこの継続検査のことです。
保安基準適合証の提出がある自動車 | 1,100円(印紙1,100円) |
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小型自動車 | 1,700円(印紙400円、証紙1,300円) |
小型自動車以外の自動車 | 1,800円(印紙400円、証紙1,400円) |
新規検査:新たに自動車を使用しようとするときに受ける検査、または、いったん使用することを中断する手続きをした自動車を再び使用するときに受ける検査のことです。通常新車をディーラーで購入する場合にはディーラーが行ってくれるので、一般ユーザーが受けることはほとんどありません。
完成検査終了証の提出がある自動車 | 1,100円(印紙1,100円) |
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中古車で保安基準適合証の提出がある自動車 | 1,100円(印紙1,100円) |
小型自動車 | 2,000円(印紙400円、証紙1,600円) |
小型自動車以外の自動車 | 2,100円(印紙400円、証紙1,700円) |
構造等変更検査:自動車の長さ、幅、高さ、最大積載量に変更を生じるような改造をしたときなどに受ける検査です。ただし、自動車の長さ、幅、高さの変更が一定の範囲内であれば、構造等変更検査は不要です。
小型自動車 | 2,000円(印紙400円、証紙1,600円) |
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小型自動車以外の自動車 | 2,100円(印紙400円、証紙1,700円) |
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