【キャッシュレス 2】NFCの規格の1つ「FeliCa(フェリカ)」とは?

FeliCaとは?

FeliCa(フェリカ)は、ソニーが開発した非接触型ICカードの技術方式です。名称は元々ソニーが保有していた商標の中から適当なものを選んで命名されました。「至福」を意味する「Felicity」と「Card」を組み合わせ、「至福をもたらすカード」という意味が込められています。

当初、国際標準化機構にISO/IEC 14443 TYPE Cとして提案を行い、同時にTYPE D〜Gまでが提案されましたが「近距離無線通信規格の乱立になる」として、国際規格議論が停止され採用されませんでした。その後、FeliCaと上位互換性のある方式がISO/IEC 18092 (TYPE-F) として規格化されました。

NFCとFeliCaの違い

NFC(近距離無線通信)とは、Near Field Communicationの略称で、13.56 MHzの周波数を利用する通信距離10cm程度の近距離無線通信技術です。このNFCにはNFC-AやNFC-Bなどの規格があり、その規格の中の1つがFeliCa(NFC-F)です。

【キャッシュレス 3】NFC(近距離無線通信)とは?(NFCとFeliCaの違い)
NFC(英語:Near Field Communication、日本語:近距離無線通信)とは、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる無線通信による個体識別の技術の一種です。基本的におサイフケータイやApple Payなどの非接触型ICカード技術は、NFCの技術が使われています。

FeliCaの特長

1枚のカードにICチップとアンテナを搭載。対応のリーダー/ライターにかざせば、約0.1秒で高速データの送受信ができます。さらに、非接触方式なのでケースに入れたまま使えて便利。

FeliCaを利用したサービス

  • 交通系IC乗車券:2001年に導入されたJR東日本の「Suica」以来、全国の電車・バス交通機関の定期券やストアードフェアカードとして多く採用されている。
  • 電子マネー「楽天Edy」「nanaco」「WAON」など、日本国内で流通している電子マネーのほぼすべてに利用されている。
  • ID認証:FeliCaは学生証や社員証にも幅広く採用されている。1枚のカードで出席管理や入退室管理。また、近年ではマンションの電子キーや、物流管理のICタグにも採用されている。

これらのカードは読み取り機にかざすだけで簡単に決済や認証ができます。スマホでもかざすだけの決済を行いたい場合は、非接触通信ができるICチップ(FeliCaチップ)を搭載しているスマホ端末を所持する必要があります。

海外はNFC-A/B、日本はFeliCaが主流となった理由

最大の違いはその通信速度にあります。NFC-A/Bの最大通信速度は424kbps(キロビット毎秒)です。もともと少額の決済やNFC対応機器同士での小規模な通信での利用が想定されています。

一方FeliCaの最大通信速度は847kbpsです。もちろんリーダー/ライターなどによってスピードは上下するのであくまで理論値ですが、NFC-A/Bに比べ2倍近いスピードを誇ります。

Suicaを改札にかざした時の処理速度は一瞬ですが、もし2秒も3秒も時間がかかっていたら朝の通勤ラッシュ時、改札は大渋滞になってしまいます。この通信速度により、FeliCaはJRに正式採用され、Suicaが誕生しました。

「NFC Type F」はソニーが開発し、さらに独自のセキュリティ機構を盛り込んだものが「FeliCa」です。SuicaをはじめPASMOおサイフケータイなど日本国内で幅広く採用され、日本で主流の規格となりました。

対応機種

Android端末は、ほとんどの機種にFeliCaが搭載されています。iOS端末(iPhone)は、iPhone7以降に搭載されています。

まとめ

iPhone にも FeliCa が搭載されたことにより、ガラパゴスの象徴である「FeliCa」に世界進出への光明が差しました。

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