QRコード決済
「QRコード決済」とはモバイルペイメントの一つで、店舗での支払いの際、スマートフォンでQRコードを読み取ることで、紐付けられたクレジットカードや金融機関の口座、プリペイド方式の場合はチャージした残高から支払うことができるサービスです。
QRコードは、「マトリックス型二次元コード」ともよばれています。
海外の主流は NFC-A/B ですが、日本の主流はFeliCaです。外国人旅行者が日本で非接触決済をするには、モバイル端末がFeliCaに対応もしくはお店の読み取り機(リーダー/ライター)がNFC-A/Bに対応している必要がありますが、QRコードならモバイル端末に依存しないので基本的にどの機種でも使えます。
最大のメリットは、導入コストがほとんどかからないことです。キャッシュレス先進国の中国では、屋台のメニューの横に印刷したQRコードの紙を1枚設置し、それを客が読み取って決済するといった光景が日常的に見られます。つまり、専用の高価な決済端末は不要ということです。
また、3%~7%の手数料を支払うクレジットカードや電子マネーより、手数料が安いということでもQRコードに多くの関心が寄せられています。
現在、QRコード決済には大きく分けて2種類の方式があります。お客側がQRコードを表示する場合と、お店側がQRコードを表示する場合とがあります。いずれもお客側がスマホに専用アプリをダウンロードしていることが前提です。
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お客側がQRコードを表示する場合
お客側がアプリでQRコードを表示し、お店側がPOS(販売時点情報管理)端末で読み取る手法。主にPOS端末を導入済の店舗での決済方法です。「利用者提示型」または「ストアスキャン」ともよばれています。
「Yahoo!ウォレット」や「LINE Pay」、「楽天ペイ」などで採用されています。楽天ペイのようにQRコードと共にバーコードが表示される場合は、レジのスキャナーでバーコードを読み取って決済することもできます。
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お店側がQRコードを表示する場合
お店側が表示するQRコードをお客側がアプリで読み取り、金額を入力して支払う手法。「店舗提示型」または「ユーザースキャン」とよばれています。
「PayPay」で採用されています。「Pay ID」の商品QRコードのように、商品ごとに金額を設定したQRコードを印字して、お客側に読み取ってもらう方法もあります。お店側は専用の端末を用意する必要がなく通信回線も不要であるため導入コストがかかりません。
※ PayPayは、ユーザースキャンとストアスキャンの両方に対応しています。
日本でキャッシュレス決済化が進まない理由
現在の経営者の多くは、いわゆる団塊の世代といわれる人たちです。ITリテラシーが低い経営者が理解できないものが店舗に導入されるのは非常に難しいです。
また、そもそも必要性を感じない人が多いのではないかと思います。海外に比べて日本の紙幣印刷技術は高く、偽札の存在が社会問題化することは少ないからです。
日本国内の主なQRコード決済提供サービス
LINE Pay
公式URL:https://line.me/ja/pay
LINE株式会社が提供するお財布サービス。「QUICPay」と提携し、国内の「QUICPay」加盟店で「LINE Pay」での支払いが可能になりました。
楽天ペイ
公式URL:https://pay.rakuten.co.jp/
楽天株式会社のサービスです。楽天会員IDを利用して、楽天以外のECサイト及び実店舗でも簡単に決済ができるサービス。
楽天スーパーポイントや楽天カードとの連携が魅力。楽天グループ外のサイトであっても楽天IDを利用した決済を利用することによって楽天スーパーポイントが貯まり、そのポイントを楽天ペイとして使用が可能。
ヤフースマホ決済
公式URL:https://wallet.yahoo.co.jp/guide/payment/
ヤフー株式会社が2018年6月5日よりスタートした「Yahoo!ウォレット」の新機能、バーコード決済サービス。実店舗でもYahoo!ウォレットに登録したクレジットカードや、Yahoo!マネーで支払いができ、支払いに応じてTポイントをためることができる。
PayPay
公式URL:https://paypay.ne.jp/
ソフトバンクとヤフーの合弁会社であるPayPay(ペイペイ)は2018年10月5日、バーコードを活用した実店舗でのスマホ決済サービス「PayPay」の提供をスタート。
2018年10月25日より、中国の「Alipay」とサービス連携し、PayPay の加盟店において、PayPayのQRコードを Alipay で読み込んで決済できるサービスを開始しました。
Origami
公式URL:https://origami.com/origami-pay/
株式会社Origamiによるサービス。国内でいち早くQRコード決済の提供を開始。ポイント制はないが、クーポンの発行や店舗ごと割引サービスがある。
d払い
公式URL:https://service.smt.docomo.ne.jp/keitai_payment/
株式会社NTTドコモによるオンライン及びオフラインでの決済に利用できるスマホ決済サービス。dポイントをためたり、使用したりすることができる。ドコモの回線をもっていなくてもdアカウントがあれば利用可能。
PAY ID
公式URL:https://id.pay.jp/
2015年9月7日にオンライン決済サービス「PAY.JP」をリリース。2018年1月4日、BASE株式会社が分社化によりPAY株式会社を設立。
paymo
公式URL:https://paymo.life/
AnyPay株式会社が提供するサービス。「paymo」は、スマホで簡単、割り勘アプリ。QRコード決済にも対応。「paymo biz」は、ECサイトのない小規模な事業者の方にも、簡便にクレジットカード決済が導入できるプラットフォームです。
pring
公式URL:https://www.pring.jp/
株式会社メタップスのグループ子会社である株式会社pringが提供するお金コミュニケーションアプリ。読み方は「プリング」ではなく「プリン」です。クレジットカードではなく銀行口座と直接紐づけて決済することで業界最安値の決済手数料を実現。
pixiv PAY
公式URL:https://pay.pixiv.net/
ピクシブ株式会社が提供するサービス。同人誌即売会などのイベントで、スマホを利用したQRコードでの決済・レジ機能を実現。コンビニでも使えます。
ゆうちょ Pay
公式URL:https://www.jp-bank.japanpost.jp/app/app_yuchopay.html
2019年2月目途に提供予定のスマホ決済サービス。ゆうちょ銀行の口座を持つ「個人ユーザー」が、契約店舗での決済時、QRコードを読み取ることで、予め登録した銀行口座から代金を即時に引き落とすサービス。
Amazon Pay
公式URL:https://pay.amazon.com/jp
日本でも2015年5月にサービスが開始され、かつては「Amazonログイン&ペイメント」という日本独自のサービス名だったが、2017年2月22日をもってグローバルで使用される「Amazon Pay」に変更された。
2018年8月29日、同社の決済サービス「Amazon Pay」において、QRコードを用いたリアル店舗での決済対応開始を発表しました。小売店向けサービスを手がける「NIPPON PAY」と提携し、「NIPPON PAY」加盟店から、順次拡大していく見込みです。
決済用端末となる「NIPPON PAY」のタブレットは、店舗向けに無料でレンタルされます。決済サービスや免税手続きのサポート、通訳といったサービスがこのタブレットで利用可能となっています。
決済手段では、各種クレジットカードブランドのほか、「WeChat Pay」をはじめとした中国の3大QRコード決済、NTTドコモの「d払い」、メタップスの「Pring」といったQR決済サービスに対応しており、「Amazon Pay」のQRコード決済がこのラインナップに加わる形です。
au Pay
公式HP:https://aupay.wallet.auone.jp/
KDDIは2019年4月9日より、バーコードやQRコードをつかった新たなスマホ決済サービス「au PAY」の提供を開始しました。
なお2018年11月1日、KDDIと楽天が決済・物流・通信分野の業務提携を発表しています。通信分野ではKDDIが楽天に通信ネットワークを提供するローミング協定を締結。ローミング協定は2026年3月末までの期限付き。楽天は期間内に自前のネットワークを全国展開し、完成した地域から順次、自前のネットワークへ切り替えを行うとのこと。
「au PAY」は、「au PAY アプリ (旧・au WALLETアプリ)」から簡単な操作で利用することができ、アプリ上に表示されるバーコードやQRコードを対象店舗のPOSレジや各種端末で読み取ることで、支払いに利用できるスマホ決済サービスです。
コンビニエンスストアやドラッグストア、家電量販店、飲食店等、さまざまな街のお店で利用でき、対象店舗は今後順次拡大していきます。
支払いは、「au PAY 残高 (旧・au WALLET 残高)」を使い、「au PAY 残高」へのチャージは、すでに貯まっている「Pontaポイント (旧・au WALLET ポイント)」や、「auかんたん決済 (通信料金合算支払い)」、じぶん銀行をはじめとした、クレジットカード、auショップ・ローソン店頭など、ニーズに合わせてさまざまな方法を選択することができます。
さらに、2019年夏以降、「au PAY 残高 (当時の名称は au WALLET 残高)」へのチャージ方法を拡充。全国に2.5万台あるセブン銀行ATMで現金チャージが開始になるほか、「auかんたん決済 (リアルタイムチャージ)」では、残高不足時にその場で不足額を自動でチャージが可能になります。
「au PAY」は、利用金額に応じて、200円 (税込) ごとに1ポイント (0.5%相当)、auスマートパスプレミアム会員は200円 (税込) ごとに3ポイント (1.5%相当) の「Pontaポイント」を還元するauユーザーにとっておトクな決済手段です。
7Pay(セブンペイ)
公式HP:https://www.sej.co.jp/cmp/7pay_pre.html
セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン・フィナンシャルサービスとセブン銀行は2018年6月14日、共同出資で決済サービス会社「セブン・ペイ」を設立しました。
2019年4月4日、独自のスマホ決済サービス「7 Pay(セブンペイ)」を2019年7月に開始すると発表しました。決済でnanacoポイントが貯まります。同時に、2007年から提供している電子マネー「nanaco」決済時のポイント付与率を、現状の1%還元から、0.5%還元へと引き下げることも発表しています。
セブン‐イレブンなど同社店舗でnanacoで支払うと、100円(税抜)で1ポイントが還元されていましたが、2019年7月1日からは、200円(税抜)で1ポイントへと引き下げられます。
「7 Pay」は、レジでスマホ表示したバーコードを提示するタイプのスマホ決済サービスで、支払額に対して0.5%相当のnanacoポイントが貯まります。
支払いには「7 Pay」にチャージしたマネーを使用します。チャージは、店頭レジのほか、セブン銀行ATM、クレジットカード等から行えます。
メルペイ
公式URL:https://www.merpay.com/
「メルペイ」は、2019年2月13日よりサービスの提供を開始したメルカリのアプリ内の「メルペイ」タブから利用することができるスマホ決済サービスです。メルペイは電子マネーiDが使えるお店とメルペイのコード支払いに対応しているお店で使えます。
2020年1月23日、メルペイが同年2月25日付けで同業のQR・バーコード決済サービスであるOrigami Payの運営会社Origamiの全株式を取得し、メルカリグループに参画する事を発表した。これにより、Origami Pay はメルペイへ統合されることとなった。
アジアの主なQRコード決済
WeChat Pay
公式URL:https://pay.weixin.qq.com
Tencent(テンセント・騰訊)が運営する中国版LINEとも言われるコミュニケーションツールWeChat(微信)が提供するモバイル決済サービス。
AliPay(銀聯)
公式URL:https://intl.alipay.com/
ネットショップモール「淘宝網(タオバオ)」を運営するアリババ集団(阿里巴巴集団)の決済サービス。
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